2019

2019 · 2019/11/02
今年第5回のアジア・ビズ・フォーラムでは、当会主宰の姫田が上海定点観測をベースに、景況感、今後の見通しを述べました。サービス業の比率が高い上海では、米中貿易戦争によるダメージよりも、むしろ構造転換に苦しんでいるのが鮮明でした。...
2019 · 2019/10/08
<演題>「激変する世界情勢の中でおこる“脱中国” 台湾・香港・東南アジアにおける“変化”」 ――2018年秋から年末にかけて、上海の景気が悪化しました。背景には米中貿易戦争の長期化懸念がありましたが、むしろ債務問題が民営企業に大きなダメージをもたらしていました。あれから1年。「中国の変調」を中心に、激変する世界情勢の中で起こる「脱中国」の動きと、台湾、香港、東南アジアにおける“変化”を伝えます。 <講師プロフィール>姫田小夏/フリージャーナリスト。アジア・ビズ・フォーラム主宰。インバウンド評論家。1997年から日本企業の対中ビジネス動向や中国の経済・社会事情を発信。上海財経大学公共経済管理学院修士課程修了(専攻は土地資源管理)。著書に『インバウンドの罠』(時事通信出版局)ほか。ダイヤモンド・オンライン『チャイナレポート』は連載280回を超える。 <ご案内>日時/11月1日(火)11:30~13:30 場所/渋谷区渋谷4-4-25アイビーホール・フィリア(表参道駅徒歩5分) 定員/申込先着15名 費用/3500円(軽食・アルコール・ソフトドリンク付き)
2019 · 2019/06/21
アジア・ビズ・フォーラム第4回研究会は「米中貿易戦争とサプライチェーンの行方」と題し、講師の田中先生から「リードタイムを含んだコスト論」をお伺いしました。すなわち政治的リスクなどの要因で物流の時間が長くかかるようであれば、それはやはり“地産地消”のほうがいい、という考えです。 「ビール会社が日本に5、6カ所分散しているのは運んだら損だから・・・」、また「見合った量以上勝ってはいけない、安いから買え、ではない(「入りを量りて出ずるを制すべし」)」という発想も、改めて「なるほど」とうなずくものがありました。 「客に近いところでビジネスをせよ」という田中先生のメッセージは、米中貿易戦争を発端にまさにサプライチェーンの世界的なシャッフルが始まろうとする今、必要なアプローチなのかもしれません。 さて、アジア・ビズ・フォーラムの次回のご案内は秋口となります。その間、姫田はバンコクに行き、「中国脱出組」と接触を図る予定です。新鮮なネタが仕入れられたところで、また皆様にご報告をさせていただきます。引き続きよろしくお願いいたします。
2019 · 2019/06/03
<演題>「“世界のトヨタ”の視点で読み解く製造業のこれから 米中貿易戦争とサプライチェーンの行方」 <講師プロフィール>田中 正知氏/1967年、トヨタ自動車工業株式会社に入社。1993年、本社生産調査部部長として協力メーカーへのトヨタ生産方式の指導と改善に当たる。1995年、本社物流管理部部長として全世界物流ネットワークの構築と改善に取り組む。2005年、東京大学大学院経済学研究科MARC特任研究員、2007年、ものつくり大学名誉教授の称号を授与される。同年株式会社Jコスト研究所を設立。内閣府、国土交通省など公的機関では数々の専門委員を歴任する。著書に『トヨタ式現場管理』ほか。 <ご案内>日時/6月20日(火)18:30~21:00 場所/渋谷区渋谷4-4-25アイビーホール・フィリア(表参道駅徒歩5分) 定員/申込先着15名 費用/5500円(軽食・アルコール・ソフトドリンク付き)
2019 · 2019/05/29
アジア・ビズ・フォーラムの今年第3回となる研究会では「儒教に根差した中国ビジネスへのアプローチ」をテーマに、法律と儒学の専門家である高居宏文先生からお話を伺いました。 孔子が求めた道とは仁愛ですが、それはキリスト教的な無差別の人類愛とは異なります。孔子の教えはむしろ、身近な家族の間に発する親愛の情であり、これを社会の人間関係に押し広げていくことが「仁の実践」となります。 高居先生によれば、「儒教といっても宗教ではなく、その漢字が表すように、『人(にんべん)が必要とするもの(需)』であり、今ある社会問題をどう解決するかが儒学」だといいます。中国では元・明・清にわたり、儒学の教えで世の中を統治してきました。 また、高居先生は「情・理・法」の順番が大事だといいます。「入り口は情、その次に理論、最後が法律」で展開し、「最初から法律という武器でガンガンやってしまうのは逆効果」だとも。かといって、情に流されては相手に食われるばかり、「そこで道理や原理が必要になるのです」(同) 中国の古典に回帰しながら、最新のテクノロジーが治める中国社会、その変化の片鱗をたどる研究会となりました。
2019 · 2019/04/26
<演題>「儒教に根差した中国ビジネスへのアプローチ」 <講師プロフィール>高居宏文氏/1998年早稲田大学法学部卒。2002年から上海市の毅石法律事務所に高級顧問として入所。2003年リチャード法律事務所で法律顧問、2010年に北京大成(上海)法律事務所にて高級顧問を担当。十数年にわたり日本業務の責任者として中国法務に従事し、日系企業の法律紛争などの問題解決に当たり、M&A、進出、撤退などの案件についてサポートを行う。2017年からは拠点を日本に移し、弁護士法人ベリーベスト法律事務所顧問。現在は独立し、高居コンサル事務所にて代表を務める。中国の法律事務所の在籍中は多くの日系企業の撤退案件を処理し、地元政府から高い評価を受けた。上海みずほ銀行の要請を受け登壇した中国式リストラ法についての講演は、セミナー開催以来参加者最高人数を記録。UFJ銀行、NNAが発行する媒体に法律関係の文章も寄稿。 <ご案内>日時/5月28日(火)11:30~13:30 場所/渋谷区渋谷4-4-25アイビーホール・フィリア(表参道駅徒歩5分) 定員/申込先着15名 費用/3000円(ランチ付)
2019 · 2019/04/19
4月18日、エリス・コンサルティング代表の立花聡先生からお話をお伺いしました。焦点を当てたのは「人の現地化」です。現地化とは中国の日系企業の現地法人で働く人材の中国人スタッフへの置き換えを意味しますが、「果たしてそれでいいのか?」というのが今回のお題です。「現地化が進むほど不正問題が続出する」というのが立花先生の危惧感ですが、その元凶にあるのは、「日本式経営体制」の中国移植。絶えずフロンティアを探し続けるのが資本主義、20年でコストが上がりいずれ撤退するのなら、中国の現地法人に日本本社の制度を導入するのはそぐわない――というものです。「日系企業が取得する「営業執照(営業許可証)」に経営期限が書かれているように、現地法人で雇用された社員はその間にどれだけプロフィットをとるかに必死になっています。また、従業員はいいことをやってもご褒美を出さないのが日系企業であることも見抜いています。そもそもの不正はここから発生しているのです」(立花先生)。立花先生から頂いた数々のヒントとともに、みなさまの中国ビジネスがさらに発展されるようお祈りしております。
2019 · 2019/01/24
過日、当会では上海より北岡峰幸先生をお迎えし、中国の民営企業の今をテーマに現地の臨場感あふれるお話をお伺いしました。一年の締めくくりには「年会」を通して食事会をし、新情報を交換しあう、という水面下での民営企業の動きは興味深く、その一方で、「裸一貫」から財を成す成功談も今なお健在であることも知りました。マクロの数字だけでは語れない中国、単なる観念論だけで丸め込むことはできない中国の国情、北岡先生が提供したたくさんの画像はまさに「事実は小説よりも奇なり」の“中国の実像”だったと感じます。奇しくも翌日の日経新聞は中国民営企業の債務問題を取り上げていました。GDPの6割を叩き出す民営企業の経済活動、その先行きはどうなるのか、またその活動の自由度はどうなるのか、とても気になるところです。 他方、対中投資も微増に転じ、日中のタッグが再び増え始めている気配ですが、これは10年前に「いつか来た道」。世代交代の進む中国企業、柔軟なビジネスマインドを持つ中国企業とは当時に比べてはるかに質の高い合作ができそうですが、あのときの教訓も整理しておく必要がありそうですね。
2019 · 2019/01/07
「新時代の中国ビジネス」 「日中ビジネス」には現地市場をターゲットにするアウトバウンド・ビジネスもあれば、日本に来る観光客を対象にしたインバウンド・ビジネスもあります。昨今増えているのは、中国資本が日本に投資をする新ビジネスです。 日中関係が改善される中、再び息を吹き返す中国ビジネスですが、その構図は2000年代のような単純なものではありません。たとえ友好ムードになろうとも、中国ビジネスの困難さは相変わらず、今後の中国動向を見据えれば、むしろその難度は増す傾向にあります。 日本企業はどう中国ビジネスの勘所をつかむのか。アジア・ビズ・フォーラムは今年も“現場感”のあるタイムリーな情報提供に努めていきます。