増える外国人に対し、日本語学校も増加している。2014年と比較すると10年で約2倍に増えたという。そこで起きているのが質の劣化。在籍管理や日本語指導が十分とは言えない学校もあり、玉石混交が一段と進んでいるようだ。
外国人留学生Aさんは、都内の日本語学校を一旦卒業、もっと日本語をブラッシュアップしたいとこの4月から再び日本語学校に通い始めた。ところが、以前在籍していた学校とはだいぶ違うことに驚かされた。
「この学校は宿題もないんです。居眠りも多いです。それでも、日本語教師も何も言わないんです」
Aさんのコメントからわかるのは、以前の日本語学校は、留学生に宿題を与え、学業第一にしっかりと指導ができる学校だったということだ。
一方で、「黙認型」の学校も少なくない。筆者が懸念しているのは、「『黙認型』が今やスタンダードになってはいないか?」ということだ。
「留学生はアルバイトしているから」「疲れているからしょうがない」などと、居眠りやスマホの使用など、現場の雰囲気に流されてしまう日本語教師もいるからだ。
中には授業崩壊する日本語学校もある。日本語教師のこんなコメントも聞いた。
「食べたらたべっぱなし、飲んだら飲みっぱなし。クラス内はいつも汚れています。授業態度も悪い。遅刻、早退、欠席は常習。授業中パソコンを立ち上げて、何をしているのかと思えばゲーム…。正直お手上げ。こちらはただ黙って授業を進めるしかありません」
文科省は質の劣化を問題視し、現在、日本語学校と日本語教師に対する要求値を引き上げている最中だ。
しかし、現場は今後も旧態依然として変わらないのではないか。
日本政府と産業界が、「留学生」の在留資格者で不足する労働力を補うことを「妙案」だと認識し続けている限りにおいては、そこから生じる教育現場の崩壊は改善されることはないだろうと感じている。
(写真は首都圏にある日本語学校。留学生は初期にはやる気に満ちていても、その後アルバイトや職場での人間関係による疲労で、学業への集中力が落ちていく)
待ったなしの日本語教育改革:高まるニーズの中で課題山積、険しい「質向上」への道 | nippon.com
